コピーもデザインの一部なんですよ~

薮田織也の雑草子-キューピーマヨネーズのパッケージ

 今日、事務所のマヨネーズ ( 笑 ) がなくなったので、近所のスーパーに行って買ってきたんですよ。キューピーさんのマヨネーズです。んで、得意の自作コールスローにかけるために封を開けようとしたとき、小さい感動を得ちゃったんです。
 
 右の写真がみなさんお馴染みのキューピーさんですが、さて、日本語に小うるさいオヤジの薮田は、どのポイントに感動したのでしょ~か。クリックして拡大表示できるので、ちょっと探してみてください。ヒントは3か所です。

薮田織也の雑草子-キューピーマヨネーズのパッケージ
 

 昔から薮田にパッケージデザインや広告デザインをディレクションされてきたデザイナー諸氏なら、「 ああ、またハゲがうるさいこと書いてやがるな 」 って思うことでしょう。んじゃ答えです。 

  • 「 召しあがって…」の部分
  • 「 …ください。」 の部分
  • JAN のバーコードの部分

 
薮田織也の雑草子-キューピーマヨネーズのパッケージ

 以上、3か所です。まず、1と2の部分は、正しい日本語を使っているパッケージということです。多いんですよ、「 お召し上がり下さい 」 っていうおかしな日本語を使っているパッケージ。「 召し上がる 」 は敬語ですから、それに 「 お 」 を付けるのは間違いというのは、誰もが本来知っていることでしょう。なのに食品メーカーのデザイン担当者が、そのまま放置しているとしか思えないほど間違い敬語を使っているものが多い。それから、人に動作を要求するときの 「 ください 」 はひらがなで表記するのが正しいとされています。「 下さい 」 というのは、人から物をもらうときの 「 ください 」 なんですからね。従って、キューピーさんの表記はまったくもって正しい。感動しました。
 
 今までいろんなメーカーで正しい日本語を使いましょうよって言ってきたのですが、薮田がいなくなってしばらくすると、そんなことどうでもいいじゃんとばかりに、間違った日本語や優しくない日本語を使うメーカーが多かったんです。キューピーさんでは仕事したことありませんけど、社内のデザイン担当者が素晴らしいのか、仕事を請けているデザイン会社の担当者が拘ってるのか、どっちにしても関係ない薮田が嬉しいと思いました。
 
 3つめは、JAN コードです。JAN コードってのは、商品識別のための日本仕様のバーコードで、13 桁と8桁の規格があります。んで、何に感動したのかというと、デザイナーの小さな遊び心です。表面で男女のカップルがテーブルについて食事しているイラストがあり、裏面ではカップルがソファに腰掛けてキスしているようなんですが、このソファの背面に JAN コードを表示しています。大したこっちゃないんですけど、多分、かなりきつい予算 ( 違ってたらごめんなさい ) を要求されている中で、デザイナーが施した遊び心。どうせすぐに捨てられてしまうマヨネーズのパッケージですけど、薮田は好きになりました。この商品のパッケージをした担当者の方の非真面目さと不常識さを。
 
 あと他に小さなことですけど、このパッケージの文章が全体的に優しい日本語で書かれていることにも感動してます。できる限り、本当にできる限りなんですけど、音読みの熟語を使わないように努力しているのが窺えるんですね。薮田は、商品パッケージに使う日本語は、その商品の特性、使う対象のことを意識して変えるようにデザイナーに指示してきました。たとえば今回のマヨネーズのような食品。お店で商品を手に取るのは主に主婦などの女性でしょう。だから、なるべく優しい響きのある日本語を使うように指示するのです。優しい響きとは、音読みよりも訓読みの方にあるとは思いませんか? 「 使用可能です 」 なんて書かれているより、「 使えます 」 と書くと優しく感じるはずです。「 使うことができます 」 なんて長くしてもいけません。「 お使いいただけます 」 なんてさらに冗長的にすることもやめましょうよ。
 
 多くのグラフィックデザイナーには、コピー ( テキスト ) もデザインのうちだと、いや、コピーがデザインを牽引するのだと理解してもらいたいと思います。消費者に 「 何か 」 を伝えなければならない商業デザインだからこそ、コピーライターが主導でチームをまとめた方が、必ず良い作品、いや良い商品ができると薮田は考えています。 
 
 

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