モテるビジネスマンになろう

 先日、若い知人が長いブランクを経て再就職を果たしました。まずは一言、「おめでとう」の言葉を贈りましょう。私のブランクも相当長いんですけど、生来楽天的なので「なんとかなるさ」の生活を続けていますから、そんなオヤジからお祝いされても嬉しくはないでしょうね。でもまぁ、やっぱり仕事できる機会があるっていいですよ。たとえ生活のためだといっても、目の前にやることがあるってのは人生に張り合いが出ます。まっとうな仕事なら、必ず人の役に立ちますしね。
 
 んで、その再就職を果たした知人に、もうひとつ贈る言葉を用意しました。んー、ブラブラしてるオヤジが書くと、説得力の欠片もないかもしれませんが、まぁ、それは棚に上げて、書きたいんだから書いちゃいます。ええ、書きますとも。
 
 以前からくどいくらいに言ってたことですが、仕事を成功させる秘訣は、なんといっても「モテるビジネスマン」になることです。言いかえれば、人から愛されるビジネスマンってことですかね。「愛される」なんてゴツイ髭オヤジが言うと気持ち悪いでしょうから、やっぱり「モテる」がちょうどいいかな。
 
 人からモテるとどうしてビジネスが成功するのかというと、これもまぁ至極当たり前のことなんですけど、人が助けてくれるからなんですな。営業系だとしたら、「あの人が売ってるものなら買ってあげてもいいな」なんてこともあるでしょうし、技術系ならアイディアに詰まっているときにヒントをもらえるかもしれない。事務系だとしたら手に負えない数の処理を手伝ってもらえるでしょう。
 
 人間一人ができることなんてたかが知れていますから、一人でどんなに頑張ったってできないときはできない。できないのに無理して頑張りを続けても、いつかは疲弊してしまいますよ。そういうときは、素直に周囲に助けを求めてみることも必要です。
 
 私の同級生である女性も、そうやって周囲からしょっちゅう助けてもらっているようです。その女性は、傍から見てると羨ましいくらいに周囲が気にかけてくれている。実際に、その女性はモテるんですね。別に容姿がいいからとかそういうことじゃなくて、彼女の性格が周囲の人の気持ちを惹いているんだと思います。そしてなによりも彼女は、他人のために惜しみなく動きます。そんな風だから当然のようにモテるのでしょうね。
 
 「情けは人のためならず」は、よく誤解される諺のひとつですが、本当の意味は「他人にかけた情けは必ず自分に帰ってくる」というものです。前述した女性が良い例で、他人のために惜しみなく動くことで、彼女が困っているときは周囲の人が惜しみなく助けてくれるわけです。
 
 と、まぁ、あったり前のことをツラツラと綴ってきましたけど、ここ十数年、この当たり前のことができていない世の中になっているような気がします。特に企業経営者にこの考えが足りない。はっきり言って足りない。というか、無くしてしまっていると思えてなりません。企業の、組織のトップにこの考え方がなければ、いくら社員が「モテるビジネスマン」になろうと志しても、その道は極めて困難なものになります。社員というものは、上司、そしてトップの経営者を常に見て仕事をしているものです。上司を尊敬していようがいまいが見ています。自分が仕えている経営者が独りよがりで、己の利益だけを追う人であれば、自分を確立できていない社員は利己に染まっていくでしょうし、また、高い意志を持った社員であれば、いずれその企業を離れていくことでしょう。
 
 大不況の世の中ですから、社員の気持ちを考える余裕なんかないというのが本当のところでしょう。会社が潰れてしまったら社員も路頭に迷う。今はなによりも資金繰りが優先だという経営者も多いことでしょう。気持ちはよくわかります。でもそれじゃあ駄目なんです。そういう経営者の方々はよく、「苦しい今だから社員一丸となって…」なんて言葉を使いますよね? では、苦しくなる以前から、どれだけ社員からの尊敬や信頼を得ることができたかを考えてみてください。もしできていたのなら、あなたが社員一丸となってなんてことを言わなくても、社員はあなたのために苦しいのを我慢して働いてくれるはずですよ。
 
 自分の苦しさを分かってくれる社員が一人もいないと嘆いているそこの経営者さん。会社を苦しくしたのは社員のせいでしょうか? 経営者の苦しみを理解しない社員ばかりにしたのは誰のせいでしょう? 駄目社員が多いと嘆いているそこの社長さん。可能性に溢れていたはずの社員を駄目にしたのは誰ですか? まさか社員が勝手に駄目になっていったなんて思ってはいませんよね? 企業の利も負も全部が経営者に起因するんです。それだけ経営者は厳しいし、だからこそ利益がでれば誰よりも給料をもらっていいんです。私のような駄目オヤジに言われたくはないでしょうが、それが現実で、真実なんです。
 
 あああ、若い知人に贈る言葉のつもりが、駄目経営者への叱咤になってしまったぁ。しまったぁ……。
 
 そうそう、つい最近、PHP 総合研究所が出している故・松下幸之助氏の「人生と仕事について知っておいてほしいこと」という本を買いました。まだ序章しか読んでないんですけど、そこに、ここで私が書きなぐっていることと同じことが書いてあります。松下氏の本は初めてなんですけど、やっぱり成功した人は、人から愛された人なんだなぁと感じます。まっ、私は敵が多い(つまり愛されていない)ので成功する経営者にはなれないでしょうけど。(笑)
 
 んなわけで、次のエントリーは「成功するにはすべての人にモテる必要があるのか」っていうテーマで書こうかなと思っとります。

 
 

人生と仕事について知っておいてほしいこと 社長になる人に知っておいてほしいこと