想像力を鍛えるには

 以前、知人の経営者と経営や組織について話していたとき、やっぱり経営には想像力が大切だよね、と、以前のエントリーに書いたことと同じことを話していたのだけれど、そのときにその経営者から質問をされた。 
 

「薮田さんのいう想像力を鍛えるにはどうすればいいの?」

 

 俺は「想像力を養え」と昔から盛んに周囲に言ってきたけれど、その想像力そのものを鍛える方法ってのは考えたことがなかったので、ちょっと面食らった。

 
 でもちょっと考えてみれば、そんなに難しいことじゃないことに気が付いた。俺自身が何から想像力を鍛えてもらったかを考えればいいわけだ。で、その経営者にこう答えた。
 
 「二つあります。一つ目は小説を読みましょう。できれば好きな小説家を何人か決めて、その人の本は片っ端から読みましょう。で、気になった本は最低3回は読み返してみましょう。ただし、読み返すのは最初読んだ時から半年以上は間を空けてね。そうすると前に読んだときとは違う捉え方をしてることに気付くかもしれません。そして二つ目だけど、日記でもブログでもいいから、その小説の感想文を書いてみましょう。いや、小中学生じゃあるまいしってのは無しですよ。やらされてやるんじゃなくて、楽しみながらやることです。今度は自分が書いたその感想文を何度も読み返してください。時間をおいてからね。今度は自分が書いた文章が恥ずかしくなるはずです。というか恥ずかしく感じないとダメなんですね。でもその感想文は捨てちゃダメ。ブログならエントリーを消しちゃダメ。恥だと思うことを晒し続けるんです。そうすることで、次からはもっと高度なことを感じられるようになるし、高度なことを書けるようになるんですよ。あっ、別に文章の能力やテクニックが高度になるっていう意味じゃないですよ。想像力豊かなっていう意味です」
 
 これのどこが「想像力」を養うことにつながるんだと思う人もいることだろうけど、俺はこの方法がベストだと思っている。もちろんリアルな体験も必要だけど、小説の中のバーチャルな体験は必ずリアルに活かせると思っているからだ。他人との会話の中でも、以前なら感じられなかった裏側がわかるようになってくる。バーチャルな空間で他人の哀しみを理解できれば、リアルでも他人に優しくできるかもしれない。バーチャルで失敗した事例をいくつも知っていれば、リアルで成功できるかもしれない。
 
 読書って、学生時代よりも社会人になってから多くした方が、より深く理解できるし、現実に活かせるんだと思う。俺も学生時代の3倍は読むようになった。読むようになったといっても、年間の読書量は 100 冊に満たない、多分 80 冊程度だ。そのうち半分は以前に読んだ本だ。もっと読みたいとは思うが、リアルの方がおざなりになるし、噛み締めて読むようにしているので読むスピードが追いつかない。
 
 読書が経営に役立つ想像力を鍛えてくれる、その根拠はまたいずれ書くつもりだけど書かないかもしれないけど、多分書くだろう。