風景写真や野の花のマクロ撮影をするときに、クリップオンストロボを使ったことはありますか?
● 光景写真にチャレンジしてみませんか?
先日、高尾梅郷にて梅を撮ってきました。僕以外にもプロアマを含むたくさんの方がカメラを抱えて撮影に挑んでいました。しかし、その大勢のカメラマンの中でストロボをカメラに装着していたのは僕一人。それは昨年の夏に明野の向日葵を撮りにいったときも同じでした。
快晴の空の下でストロボを使った撮影をしていると少し奇異に見えるらしく、何人かの初老の紳士カメラマンは訝かしげな目をして僕を見ながら通り過ぎて行きました。僕からすれば、「 なぜ皆さんはお日様の下でこそストロボを使わないんだろう 」と思うわけですが………。不思議なことに、ポートレートが好きで普段から日中シンクロ( 日中にストロボを使うこと )を実践されている方でも、不思議と花や風景では日中シンクロを使わないことが多いんです。
● ポートレートでの日中シンクロ
では、日中のお日様の下でストロボを使うと、どんな写真が撮れるのでしょうか。ポートレートではこんな感じの違いがでます。もちろん左がストロボ有り、右が無しですね。日中のポートレートでは、よく逆光を使って人物のラインライト( 輪郭を縁取るように見える光 )を出して撮ることが好まれますが、逆光ですから当然のように顔が暗くなってしまうので、ストロボを発光させてフェイスを起こす( 顔を明るくする )わけです。
日中シンクロは、なにもポートレートに限って有効というわけではありません。風景でもスナップでも、そして花や昆虫のマクロ撮影でも積極的に使って欲しいテクニックのひとつです。
● 花マクロでの日中シンクロ
そんなわけで、花のマクロ撮影でストロボを使うと、どんなメリットがあるのかを簡単にご紹介しましょう。下の2つの写真は、左が夕方の自然光だけで撮ったもので、右が同じ状況にストロボを一灯だけ加えて撮ったものです。
ぱっと見はその違いがわかりにくいと思うので、部分的に拡大して観察してみましょう。
上がストロボ有りで、下がストロボ無しですね。まず注目して欲しいのはハイライト( 一番明るい場所 )です。水滴にストロボ光が反射してしているのがわかると思います。
次に注目してもらいたいのが、写真全体の色味です。この2つの写真のカメラの露出設定とホワイトバランスはまったく同じで、どちらとも3月下旬の 18 時に撮っています。夕方の弱い太陽光では、カメラのオートホワイトバランスが正しく動作せずに、少し青みがかっています。これに対してストロボを使った写真では、本来の花の色が正しく表現されています。
● ストロボを使った撮影方法
カメラを三脚に装着して、ストロボを手で持って花に照射して撮影します。写真の中の説明には、ワイヤレスコマンダーモードだのワイヤレスリモートコントローラだの、余計なものがいろいろと書いてありますが、それはまた別のエントリーで説明します。今回はこの辺で………。
4月 12 日、光景写真のセミナーを開催します。