夜間、というか暗い場所でストロボを使うときは、周囲に他のカメラマンがいないことを確認するということ。他の人が長時間露光をしていたりすると迷惑になるからである。だから僕は今まで夜間の光景写真の場合、人っ子一人いない場所で撮ってきたのだが……。
最近ふと思うことがあった。自分の撮影を邪魔するもの( たとえば花マクロでストロボを使うななど )に対して怒りを露わにして、その思いをブログなどに書き殴っている写真家の絵をみていると、どう考えてもそこは立ち入り禁止の場所だろ、とか、その画角でそのアングルで撮るには、他人様の畑の中に入って作物を踏みにじってるだろ、などといった具合に、社会的な禁じ手を使って撮っていると思われるものが散見できるのだ。
望み通りの絵を撮るためなら多少の犠牲は構わないとする気持ちがわからないわけではない。ただ、誰かを不快にさせたり不利益を与えることで完成した作品が、本当に誰かを感動させられるのだろうか。そこまでして撮るべきものが果たしてあるのだろうか。僕はアーティストではないので、そういう気持ちにはなれないし、この先もやらないだろう。
今月、光景写真のワークショップを開催するのだが、主催のニッシンジャパンさんに無理を言って、開催時間を遅らせてもらった。その理由は他の観光客がいなくなる時間帯を考慮してのこと。それでもワークショップ参加者以外のカメラマンが一人もいなくなることはないだろうが、これが僕ができる最大限の他人への配慮です。もし迷惑をかけたならごめんなさいね。